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慢性腎臓病

 熊本は全国一透析患者が多い県です。腎臓病が慢性に進行すると、最後に必ず人工透析を受けなければなりません。人工透析には時間と、多額の医療費がかかるため、熊本県では県をあげて、透析に入る患者を減そうと努めています。このため、健康診断(特定検診)の血液・尿検査で腎臓の働きを示す数値に、わずかに異常がみられても、熊本市・県は受けた方に通知をするようになりました。多くの方はそのまま経過を観察するだけで良い場合が多いので、あまり心配なさらずにかかりつけ医にご相談ください。

【慢性腎臓病ってどんな病気?】

 腎臓は体の老廃物を濾過して除去する大切な器官です。効率よく血液を濾過するために腎臓には毛細血管が密集しており、糖尿病、高血圧などの動脈硬化などで血管が老化してくると、腎臓の濾過能力が一気に悪くなり慢性腎臓病になります。こうなると血液中の老廃物を取り除くことができなくなり、最後は人工透析で血液の浄化をしないと死んでしまいます。

【どんな症状があるの?】

慢性腎臓病になっても、最後までほとんど症状はありません。実はこのことが、問題なのです。そして、最後は透析を受けないと、尿毒症で死んでしまいます。また、腎臓病を持つ人は動脈硬化の危険度が高まり、心筋梗塞や脳卒中などになりやすいことが最近わかってきました。

【予防はどうするの?】

成人の慢性腎臓病の多くは、糖尿病と高血圧が原因です。糖尿病と高血圧を厳密にコントロールすることが腎臓の働きを守る唯一の方法です。また、腰痛、膝痛やリウマチに使われる痛み止め(消炎鎮痛剤)は腎臓に悪く働きます。続けて飲んでいる方は注意が必要です。

【予防はどうするの?】

腎臓は一度悪くなると、元通りに回復することは難しいと言われています。しかし、最近開発された血圧のお薬(アンギオテンシン変換酵素受容体阻害剤)は、腎臓の機能を保護する働きがあることがわかり、また尿のタンパク質が減少する場合もあると報告されています。血圧や糖尿をうまくコントロールし、これらの薬を上手に使うことで、天寿を全うするまで腎臓の働きを正常に保つことができます。

【検診で腎臓病の疑いがあると言われたのだけど?】

尿検査でタンパク質が陽性となる、または血液検査でクレアチニンというタンパク質の濃度が上昇(腎臓からの排泄が悪いため)していると、慢性腎臓病の疑いありということで検診に引っかかります。しかしながら、尿タンパク量やクレアチニンの濃度は、飲水量や運動によって日々変動していますので、繰り返して検査することが必要です。尿タンパクの量が少量であったり(1+)、クレアチニンの排泄率が正常人の5割くらい保たれている場合は経過観察だけで済む場合が多いようです。 近くのかかりつけ医に、ご相談ください。本院は熊本県の腎臓病撲滅の登録医になっているため、もし専門的な治療を必要とする腎臓疾患が疑われた場合熊本市に5つある腎臓専門病院と提携して、迅速な治療が可能です。